Vol.01 かぜ
こんにちは、井上裕康と申します。これからしばらく連載させていただくこととなりました。よろしくお願いします。初回は、「かぜ」の話です。特に冬は流行の季節です。今年はすでに胃腸かぜが大流行していますね。
かぜとは?
主にウイルスや細菌の感染による鼻やのど等の炎症性の病気です。ひとつの病気ではなく、急性鼻咽頭炎、急性喉頭炎、咽頭結膜熱、インフルエンザ等の総称です。
また、胃腸へのウイルス感染によって嘔吐、下痢、腹痛などの症状も起こした状態を、胃腸かぜといいます。病原体は200種類以上といわれており、80〜90%がウイルスによるものです。
また、紛らわしい症状を示す病気が多いため、万病のもとと言われています。
予防は?
病原体がとても多く、すべてに対してのワクチンを作るのは不可能といわれています。予防で大事なことは普段のこころがけです。
まず人ごみを避けましょう。人ごみはかぜの方も多く、病原体に接触する機会が増えます。ウイルスは気道の粘膜に取り付くと約20分で細胞の中に取り込まれます。
うがいは効果的ですが、20分おきにするのは無理なので、その効果は限られます。ウイルスは手や顔、衣類にも付着し、手で目や鼻をさわることも感染の原因なので、外出後に手や顔を洗いましょう。
マスクはウイルスの侵入を約3割減らすといわれています。また、マスクは息で湿るので、吸気の湿度と温度を上昇させます。保温を心がけましょう。寒いところでは、ウイルスや細菌の侵入を少なくする気道の線毛の動きが鈍くなります。
保湿を心がけましょう。冬に流行するウイルスは湿気が苦手です。冬は外気の湿度が低く、更に暖房器具により室内の湿度も下がるので、加湿器などで湿度を上げましょう。ただし、室内のカビの繁殖に注意が必要です。
体力の維持も必要です。しっかり栄養、水分、休息を取りましょう。
かかってしまったら?
しかし、100%防ぐことはできません。かかってしまったら、栄養、水分、休息、睡眠を十分とりましょう。栄養はバランスよく。
熱がないときは保温を心がけます。咳にはマスクや部屋の加湿が有効です。なかなか治らないときや、症状がひどいときは医療機関へ。単なるかぜでないこともあります。
なにかといそがしい年の瀬ですが、しっかり風邪の予防をして、よい正月をお迎えください。
2007年1月 掲載