Vol.50 下肢静脈瘤のお話
静脈瘤とは
今回は下肢静脈瘤のお話です。
静脈瘤というのは、静脈がこぶのように膨らみ蛇行したものです。
静脈というのは体のふちの方から心臓に向かって戻ってゆく血管のことで、皮膚の表面に見える青筋のことです。
静脈は中に弁があり心臓の方向にのみ血液が流れるようにできており、
筋肉が動くことがポンプの作用となり心臓に血液を送るようになっています。
この弁が壊れてしまい、血液がよどむことによって血管が膨らんでしまい静脈瘤になります。
原因と症状
その原因としては長時間の立ち仕事により足の静脈に血液がたまったり、
女性の場合妊娠出産によるおなかの中での静脈の圧迫が原因となります。加齢や運動不足も悪化する要因の一つです。
症状としては、すねやふくらはぎにぼこぼこと血管が浮き上がったり、
蜘蛛の巣のように細かい血管が見えたりなどの見た目上の問題の他、
むくんだり、炎症を起こしたり、かゆくなったり、足がだるくなったり、
足がつったり、ひどいときには皮膚に潰瘍ができたりします。
予防法
予防は血液を足にためないことが大事です。長時間の立ち仕事を避けると良いのですが、
やむを得ない場合、こまめに足首を動かしたり足の屈伸運動をすることや、
寝るときに足を心臓より持ち上げて寝たりすることで、ある程度までは予防できます。
足を適度に締めるストッキングやハイソックスを使うことや、適度な運動をすることも良いでしょう。
また一度なってしまった場合元に戻るまでの効果はありませんが、
足を適度に締める弾性ストッキングやハイソックスを使うことによって拡大や悪化を防止したり、
症状を軽減したりすることができます。
先に書かせていただいた症状で気がついた方はひどくなる前にお近くの医療機関でご相談をされると良いでしょう。
2011年2月 掲載