Vol.47 関節リウマチのお話
関節リウマチは、自己免疫によって関節が破壊され、関節の痛みや変形が起こる病気です。自己免疫とは自分の体の免疫が自分の体自身を攻撃してしまうことです。
発症率は、年齢では30〜50歳代の方で、性別では女性の方が高い傾向があります。30歳以上の1%くらいの人が罹患しているといわれています。
朝のこわばりに注意
初期の症状として有名なものは朝のこわばりです。朝、関節を動かしにくくなります。1時間以上続くことが多いです。
進行すると関節の痛みが出現します。痛みは手の指に始まり次第に手首や肘、膝等、大きい関節に広がります。
更に進行すると関節の変形が出現します。関節が腫れて太くなります。指は第一関節が伸びた状態で第二関節が曲がった状態、
もしくは第一関節が曲がった状態で第二関節が伸びた状態になります。指全体は小指側に曲がってゆきます。足では外反母趾が現れます。
最終的には関節が機能しなくなり骨がつながって動かなくなってしまいます。逆に関節がグラグラになってしまうこともあります。
このような関節の変化は一度起こると、元に戻りません。経過は慢性的でゆっくりのことが多いのですが、急に進行することや、急に治ってしまうこともあります。
関節の障害の他、炎症が常に続くための倦怠感等や、血管や神経の炎症、肺炎、心嚢液の貯留等の全身の臓器の障害が起こる可能性があります。
症状や経過の他、血液検査やレントゲン撮影の結果から診断を行います。
新しい治療法も
治療はもともとの消炎鎮痛剤、抗リウマチ薬、ステロイド剤等の他、使える医療機関は限られていますが抗サイトカイン療法等、新しい治療方法もあります。
まずは変形が起こってしまう前に診断を受け、治療を開始することが大事です。朝のこわばりや関節の痛み等の異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
2010年11月 掲載