Vol.48 膠原(こうげん)病のお話
今回は膠原(こうげん)病のお話です。膠原病は一つの病気ではなく前回の関節リウマチを含むいろいろな病気の総称です。
典型的な症状
膠原病は自分の体の免疫が、自分の体自身の組織を攻撃してしまうことによって起こる自己免疫疾患の一種です。典型的な症状は発熱、倦怠感、関節痛、レイノー症状(寒さにさらされると、最初は手指が白いロウのような色に変わり、しびれがあり、刺激が終わって10〜15分くらいで赤色または紫色に変化して正常に戻る)等があります。慢性に経過し、良くなったり悪くなったりを繰り返します。場合によっては命に関わることもある病気です。
主な膠原病
主な膠原病としては、関節の痛み・痙攣・精神症状・蛋白尿・皮疹・口腔内潰瘍がある全身性エリテマトーデス、皮膚が固くなり(特に指先)・レイノー症状のある全身性強皮症、まぶたや指の関節の発疹と筋力が落ちる皮膚筋炎、筋力が落ちる多発性筋炎、関節痛や関節の変形がある関節リウマチ、慢性腎障害・高血圧・紫斑・紅斑・しびれがある結節性多発性動脈炎等があります。
その他の膠原病としては、指の腫れやレイノー症状のある混合性結合組織疾患、目や口腔の乾燥のあるシェーグレン症候群、鼻づまり・鼻血・肺炎・腎障害のあるウェゲナー肉芽腫症、喘息・鼻炎・しびれ等のあるアレルギー性肉芽腫性血管炎、発熱・視力障害・関節痛・口内炎・陰部の潰瘍のあるベーチェット病等があります。
診断と治療
診断は症状経過とともに血液検査や組織の生検等によって行います。
治療は病気によって異なりますが、主にはステロイドホルモンによる治療が行われます。何か続いている気になる症状があるときは医療機関を受診し精密検査を受けてみましょう。
2010年12月 掲載