Vol.43 ニキビのお話
ニキビとはさまざまな原因により起きる炎症性皮膚疾患で、尋常性ざ瘡とも言います。主に皮脂腺の多い顔、頭、胸、背中にできます。皮脂腺が活発な年齢や状態の人にできやすい傾向があります。季節では初夏や初秋にできやすいようです。
いろいろなニキビ
男性ホルモンや不摂生な生活習慣等により皮脂の分泌が盛んになり、皮脂を分泌する毛穴が詰まり、詰まった毛穴の中に皮脂や角質がたまり、できます。
毛穴が閉じているのが白ニキビ、毛穴が開いているのが黒ニキビと言われます。これらに、もともと皮膚に存在するアクネ桿菌が作用して、赤ニキビとなります。
アクネ桿菌は皮脂腺の中に生息し、詰まった毛穴の中で皮脂を栄養として増殖し、炎症を起こし赤くなったり化膿したりします。さらに進行すると、
毛穴の組織が破壊され炎症が治っても痕が残ることがあります。
思春期に発生するものは男性ホルモンの分泌量増加に対する反応です。女性でも男性ホルモンが体の中に存在するため影響をうけます。
反応は成長するにつれて減るため、20代前半までには改善します。大人のニキビは偏食や睡眠不足やストレス等が原因となります。
予防と治療
予防と治療は、一日に2回低刺激性の石鹸で洗い皮膚を清潔に保ちましょう。バランスの良い食生活を心がけ、睡眠時間を充分とり、ストレスをためないようにしましょう。
女性の場合化粧は軽めにしましょう。便通を良くしましょう。
医療機関での治療はこれまで抗生物質の外用薬が主流でしたが、毛穴の詰まりをできなくする作用がある最新の外用薬は、白ニキビや黒ニキビの状態も改善します。
内服薬は健康な皮膚を作り成長を促進するビタミンB2やビタミンB6、色素沈着を防ぐビタミンC等があります。抗生物質の飲み薬や漢方薬を使用することもあります。
薬局で購入できるものはサリチル酸、レゾルシノール、硫黄等の軟膏で、ニキビを乾かす効果があります。
薬局の薬や生活習慣を改善しても良くならなかったり、症状がひどい時は、痕が残ってしまう前に医療機関へ受診しましょう。
2010年7月 掲載