Vol.32 あせも
あせものお話
あせもは夏場の病気で、主に小さい子供にみられます。また発熱が続く病気の人や暑い所で仕事をしている人も発症することがあります。大量に汗をかいたとき汗の管が閉塞し、汗が皮膚の外に出ずに汗管の外に漏れ出しておこります。
いろいろあるあせも
水晶様汗疹、紅色汗疹、深在性汗疹の3つの型があります。
- 水晶様汗疹
- 直径1〜3mmの小さな水ぶくれが現れ、かゆみや痛みはありません。
- 紅色汗疹
- 赤い発疹が多発し、かゆみや軽い痛みがあります。
- 深在性汗疹
- 青白く平らな湿疹が敷き詰めたように現れます。
深在性汗疹は熱帯地方や高温環境に長時間さらされると現れます。深在性汗疹のある部位では汗が出なくなり、体温調節能力が低下するので、熱中症に注意しましょう。
あせもが悪化して掻き傷に細菌が感染すると、「とびひ」(伝染性膿痂疹)や「あせものより」(汗腺膿瘍)になることがあります。
あせものよりは頭、顔、うなじ等のあせもができている所に赤い小さなしこりができ、次第に大きくなり、悪化すると膿みが出たり、リンパ節が腫れて発熱することもあります。
水晶様汗疹は数日で自然に治ります。紅色汗疹は消炎剤の塗り薬を使います。深在性汗疹は治療も必要ですが、良くなるまでは涼しい環境で生活しましょう。化膿した汗腺膿瘍では抗生剤を使用します。場合によっては、切開して膿を出します。
あせもにならないために
あせもを発症した時は室温が高過ぎないか、厚着していないか注意し、衣服をこまめに着替えましょう。裸より木綿肌着を着る方が良く、クーラー等を使用して、汗をかく量を減らしましょう。
汗をかいたらシャワーや水で洗い流すのが最善の手段ですが、外出先では無理なので、水を含ませたタオルやハンカチ等ではたくように拭き取ります。一度汗を拭いたハンカチやタオルは何度も使わない方が良いでしょう。
入浴は湯船につかるよりも、体温上昇の少ないシャワーが良いでしょう。汚れを落とそうとしてナイロンタオルやボディブラシでこすり過ぎると、皮膚に傷がついてあせもや湿疹になりやすくなります。
2009年8月 掲載